一定台数以上の白ナンバー自動車を使用する事業所(安全運転管理者設置事業所)では、安全運転管理者を選任することが法律により定められています。
安全運転管理者が行う業務の一つとして「運行計画」の作成があり、その作成に際しては、速度超過や過積載などといった道交法違反の阻止に加え、過労運転に起因する事故の防止に努めるなど、管理下にある運転者が安全に運転できるよう指示しなければなりません。
引用元:e-gov法令検索 | 道路交通法施行規則第九条の十(安全運転管理者の業務)
また緑ナンバー自動車を使用する事業所(自動車運送事業所)では、原則全ての営業所に運行管理者を選任する必要があります。運行管理者は運転者に対して乗務前/後に「点呼」を実施し、安全運行上の必要な指示を与えることが定められています。
引用元:e-gov法令検索 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第七条(点呼等)
引用元:e-gov法令検索 | 旅客自動車運送事業運輸規則 第二十四条(点呼等)
このように、安全運転管理者・運行管理者にはドライバーの事故防止に向けた取り組みが求められていますが、今回は皆様のご参考にしていただきたい情報をお知らせします。
日本損害保険協会では、「全国事故多発交差点マップ」を公開し、毎年更新されています。
参考サイト:一般社団法人 日本損害保険協会 全国事故多発交差点マップ(令和5年データ準拠)
このサイトでは、前年度に交通事故が多発した全国の交差点のうち、都道府県ごとのワースト5が掲載されています。さらにそれぞれの交差点の詳細情報として、地図・特徴や、事故の内容・要因・予防方策まで整理されています。
また、令和5年の全国の事故多発ワースト交差点は、東京都の「池袋六ツ又交差点」と、大阪府の「長居交差点」が同率1位となっており、それぞれの人身事故件数が19件となっています。
筆者は、今回そのワースト交差点のひとつである「池袋六ツ又交差点」の状況を確認して来ました。
「池袋六ツ又交差点」
この交差点は池袋駅の北側に位置する、非常に車の通行量が多い地点です。また同駅に近いこともあり、多数の歩行者も確認できます。
主要幹線道路である新宿と王子を結ぶ「明治通り」と、本郷と成増を結ぶ「国道254号線(春日通り)」、更に区道などの他の複数道路も交わります。
交差点は三層構造になっており、「明治通り」が地上、その立体上に「国道254号線」、更に最上部には首都高速5号線が通っています。
地上の六ツ又交差点には、この3層構造を支える複数の柱が立っているため、ドライバーが右左折する際の前方の見通しが悪いことが特徴です。
日本損害保険協会のサイトでは、全国の事故多発交差点に関し、過去分も含めた詳細なデータが掲載されています。
安全運転管理者・運行管理者の皆様には、是非こちらのサイトをご覧いただき、管理を担当する地域に事故多発交差点が含まれている場合には、該当するドライバーへ注意を促していただきたいと思います。
通常の配送ルートに含まれていない場合であっても、日常の通勤など業務時間外で自動車を運転する場合もあります。運転の際には十分注意をするよう、このサイトを各社員・ドライバーへご紹介することをお勧めします。
デジタル点呼マネージャーシリーズではドライバーへの注意事項を予め登録しておくことで点呼画面に表示させ、運転開始前にそれをもれなく伝えることができます。
どうぞドライバーの安全運転・事故防止にお役立て下さい。