安全運転管理者が行うべき業務とは ~これから安全運転管理者になる方へ向けたキホンの”キ”~
今年も早いもので4月を終えようとしています。
ついこの間年を越して、おせちを食べていたような気がしますが、時が経つのは早いものです。
4月は出会いと別れの季節。
学生であればクラス替えや進学による新たな仲間との出会いがあるかもしれません。
社会人であれば、異動により新たな職場の仲間やこれまで経験したことのない業務に出会っているという方も少なからずいるのではないでしょうか。
本日は、これから新たに安全運転管理業務を担当する方へ向けて、キホンの”キ”となる情報をお伝えしたいと思います。
目次
安全運転管理者制度とは
安全運転管理者制度は、自家用自動車を使用する事業所等における交通事故を防止することを目的に、昭和40年6月の道路交通法の一部改正により制度化されたものです。
本制度では、一定台数以上の自動車を使用する事業所において、安全運転管理者とそれを補助する副安全運転管理者を選任して、事業所等における安全運転管理の責任の明確化と交通事故防止体制の確立を図ることが求められています。
安全運転管理者の選任が必要となる条件
以下のいずれかの要件を満たす事業所では、安全運転管理者の選任が必要となります。
① | 乗車定員11名以上の自動車を1台以上保有している事業所 |
② | 自動車を5台以上保有している事業所 ※自動二輪車(50ccを超えるもの)は0.5台として計算 |
③ | 自動車運転代行業者 |
また、自動車を20台以上保有する事業所では20台につき1名の副安全運転管理者の選任が必要となります。
安全運転管理者が行うべき業務
道路交通法施行規則第九条の十(安全運転者の業務)では、安全運転管理者が行うべき業務として以下の9項目が挙げられています。
1. 運転者の適正及び法令順守状況の把握
ドライバーとなる方の適正、技能、知識、及び法令順守の状況を把握するための措置を講じる必要があります。
どこまでの管理をどのレベルでやるべきかの明確な指針はないものの、状況把握をしっかりと行うための方策としては、「運転適性検査の活用」や「運転記録証明書の確認」等の方法が考えられます。
過積載や過労運転を防止し、その他安全な運転な運転の確保を留意した運行計画の作成が必要となります。
ざっくり言うと「いつ・どこで・何を」するのかという観点で計画を立てるイメージです。道路状況を加味して出発時間を前倒しして計画を立てたり、休憩の時間や場所を指定する等のアドバイスも安全運転を実現する上では有効に働くでしょう。
3. 長距離、夜間運転時の交代要員の配置
運転者が長距離の運転や夜間の運転に従事する際、疲労などにより安全な運転を継続できない恐れがある時は、あらかじめ交代の運転者を配置することが必要となります。
単純な走行距離や運転時間のみから判断をするのではなく、休暇の取得状況や残業の状況といった日々の勤務状況から総合的な判断を行うことが良いのではないでしょうか。
4. 異常気象時等の安全確保の措置
異常な気象、天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、運転者に対する必要な指示その他安全な運転の確保を図るための措置を講じる必要があります。
昨今では台風や大雪などの異常気象、大地震といった天災が多く発生しております。事前に予測が出来る場合は運行計画の見直しや適切な指示事項の伝達などを行うことが有効でしょう。加えて、異常気象や天災発生時の行動マニュアルの作成と周知徹底を行うことも安全確保には有効な対策と言えるでしょう。
5. 点呼等による安全運転の指示
運転者に対して点呼を行う等により、車両点検の実施及び過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与える必要があります。
点呼の際のチェック項目や車両点検時のチェック項目などをしっかりと整備しておくことで、抜け漏れのない確認を行うことが出来るようになります。
6. 運転者の酒気帯び有無の確認
運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認する必要があります。
令和4年10月1日から施行を予定していたアルコール検知器使用義務化規定は、市場でのアルコール検知器の流通不足を鑑み、当分の間適用しないこととなりましたが、市場流通に関する見通しが立った時点で出来るだけ早期に適用を開始するとの通達が警察庁から出ております。今のうちに準備を進めることをお勧めいたします。
7. 酒気帯び有無の確認内容の記録・保存
酒気帯び有無の確認内容を記録し、その記録を一年間保存する必要があります。
記録書式や保管の方式には細かな定めがなく、決まっているのは記録項目と一年間という保存期間です。
そのため、表計算ソフトや紙による管理でも法令上は問題ありません。しかし、アナログ管理に限界を感じる企業が多く、法令遵守及び効率的管理の観点でクラウドサービスの導入を検討するケースも増えております。
8. 運転日誌の備え付けと記録
運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させる必要があります。
運転日誌から得た情報(ヒヤリハット等)を運行計画の作成などに活用することで、安全運転に関する取り組みを日々アップデートしていくことができるでしょう。
9. 運転者に対する安全運転指導
運転者に対し、自動車の運転に関する技能、知識その他安全な運転を確保するため必要な事項について指導を行う必要があります。安全運転に関する定期的な講習会を行うなどの方法がありますが、内部リソースでの対応が難しい場合には外部の講師に委託するなどの工夫を取り入れのも良いのではないでしょうか。
年に一度、法定講習の受講が必要
自動車の使用者(事業主等)は、公安委員会から安全運転管理者又は副安全運転管理者に対する講習を行う旨の通知を受けたときは、当該安全運転管理者等に当該講習を受けさせなければなりません。(道路交通法第七十四条の三 第九項)
つまり、安全運転管理者又は副安全運転管理者に選任された方は、法定講習を受ける必要があるということです。
講習の受講時間は、安全運転管理者6時間、副安全運転管理者4時間とされていますので、ほぼ一日の業務時間を費やすことになります。ご自身の会社の安全運転管理に責任を持つ重要な役目として、しっかりと受講することが必要となります。
最後に:アルコールチェック管理は『デジタル点呼マネージャー・スマート』で!
弊社がご提供するデジタル点呼マネージャー・スマートは、アルコールチェックデータを一元管理するクラウドサービスです。安全運転管理者の業務である「酒気帯び有無の確認」業務を効率的かつ確実に遂行することをご支援いたします。
時と場所を選ばないアルコール測定、アルコール検知時の即時通知などはもちろん、大規模組織運用でも絶大な効果を発揮する柔軟な権限コントロールなどが可能となっております。
安全運転管理業務の効率的運用をご検討される際には、アルコールチェック管理から見直してみるのはいかがでしょうか。
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お問い合わせ先:https://dtenko.jp/contact.html
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