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設備設計・施工・メンテナンス業

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Interview #02
デジタル点呼マネージャー・スマート

直行直帰の車両管理

最大の目的は「現場の負荷を軽減する」ことでした。

■建設現場への社員の移動手段として車両を使用。

■車両210台が稼働。運転する社員は約300人。

■直行・直帰が多く、点呼が難しい業務形態。

■運用開始は2022年10月。

本州・九州エリアを中心に、建築現場の水道・電気・空調設備等の施工管理を行う川崎設備工業さまに、
「デジタル点呼マネージャー・スマート」を導入いただいています。
導入前の課題や、導入に至る経緯、導入のポイント、活用して分かったメリットなどについて、お話を伺いました。
(取材時期 : 2023年11月)

Q:デジタル点呼マネージャー・スマートの導入前は、どのように管理していましたか?

導入前は「台帳に手書き管理」
分析の際は、データを手入力していました。

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管理本部 総務部
廣瀬 圭彦 主任

私たち川崎設備工業は、ビルやマンションなどの建設現場における、空調・水道・電気設備等の施工管理を行っています。具体的に言うと、建設中のビルやマンションに現場監督を派遣して、実際に作業する職人さんたちを指揮する役割です。

現在、本州・九州の23拠点で約400人の社員が働いていますが、そのうち約250人が、実際に現場に出かけ施工管理を行っています。その際の足として、社用車を運用しています。

多くの現場は朝から稼働するため、社員は自宅から直行、または自宅へ直帰することが多くなります。そのため、出勤時の点呼をどうすればいいかというのは以前から課題になっていました。
「デジタル点呼マネージャー・スマート」を導入する前は、ドライバーが運転を開始する前と業務終了時に、各拠点で待機する安全運転管理者に対して氏名、車両番号、移動経路を電話で報告し、安全運転管理者が車両ごとの管理用紙に手書きで記入。原本は各拠点で保管しながら、スキャニングしたデータを1ヶ月に1度、本社の私のもとへ送信するという形で運用を行っていました。

データを分析する際は、私の方でそれをExcelに手入力していました。全社で210台の車両が稼働しているので、入力の手間もいま考えるとかなり大きいものでしたね。

報告を受ける各拠点の安全運転管理者も、電話を受けつつ管理用紙に手書きで記録する手間があり、現場の作業が押して終了時間が遅くなった時などは皆さん苦労していました。
また、あくまで口頭での報告ですので、本当に申告通りに稼働したのか等、データの正確性を担保する情報がなかったことも改善したいと考えていました。

各拠点の安全運転管理者に、直接Excel等にデータを入力して送ってもらうことも検討しましたが、現場の作業負荷の増大や、セキュリティ面での不安、PCが不得手な社員がいる、といった理由で実現しませんでした。

Q:導入の経緯を教えてください。

アルコールチェックの義務化を機に、
システムの導入を進めました。

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私が車両管理の担当になってから、ずっと「どうにかこの仕組みを変えたい」と考えていたのですが、なかなか社内の理解を得られずにいました。そんな折、白ナンバー事業者にもアルコールチェック等が義務づけられることが発表され、これを機に、新たなシステムの導入に向けて動きました。検討の際には、外せない条件を3つ決めました。

1つ目は「顔写真が撮れること」。施工管理という業務上どうしても直行・直帰が多くなるため、遠隔地においてもちゃんと本人がアルコールチェッカーを使っていることを画像で目視確認できるシステムが希望でした。

2つ目は「データの取り扱いが容易にできること」。新システムの導入に伴い、法令で定められている管理項目にくわえて移動経路などの情報を収集し、効率的に一元管理したいと考えていました。その際、任意の報告内容をドライバー側で記載することができ、その情報をエクスポートできるような「システムの柔軟性」についても、新システム選定の検討ポイントとなっていました。

そして3つ目は「クラウドで保存されること」。点呼データが自動でクラウドに保管される仕組みを導入することで、各拠点の安全運転管理者が、社員全員の点呼結果を管理用紙に手書きで記録する手間もなくなります。また、これまで本社側では1ヶ月ごとにしかデータを確認できませんでしたが、それをリアルタイムで確認できるようになります。

これらの条件を満たすシステムを導入することで、各拠点の安全運転管理者が「管理用紙に記入する手間」「管理用紙を保管する手間」「管理用紙をスキャンして本社に送る手間」「管理用紙を廃棄する手間」をなくして、データの信頼性を確保しつつ各拠点の業務負荷を減らしたい、というのがシステム導入によって目指したいゴールでした。また、それらの機能を盛り込んだ上での「導入・運用コスト」も、もちろん無視できない条件でした。

これらの条件によって候補を2社に絞り込み、その両方を1ヶ月間にわたりトライアル運用して、最終的にインフォセンスさまの「デジタル点呼マネージャー・スマート」と、アルコールチェッカー「ソシアック・ネオ」の組み合わせを採用しました。最後の決め手になったのは、「端末を複数人で共有できること」です。もう1社のシステムはドライバーの人数分の端末が必要で、その分見積もりも大きな額になりました。「デジタル点呼マネージャー・スマート」は端末を複数人で共有できるためコストも最小限に抑えられ、重視していた直行・直帰の処理にも適していたため、私たちの車両運用のスタイルに、もっとも適していると感じました。

Q:導入後、その効果についてはどう感じていますか?

安全運転管理者が点呼結果の手書き記録から解放され、
本社の管理も楽になりました。

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新システムでは氏名、顔写真、アルコールチェック結果、車両番号、運行記録を取得して管理しています。導入によって一番楽になったのは、各拠点の安全運転管理者ですね。
これまでは、朝と夕には安全運転管理者のもとにドライバーから何本も電話がかかってきて、その都度、口頭で乗務開始・終了の連絡を受け、管理用紙に手書きで記録しなければなりませんでした。
新システム導入後は各車両でそれぞれ点呼を行い、そのデータが自動でクラウドに保存されていくため、安全運転管理者が管理用紙に記入をする手間がありません。さらに、点呼結果がリアルタイムで反映されるので、点呼忘れなどがあればすぐに気付けます。

管理する本社側もメリットは大きいです。これまでは手書きで記録されたシートを月1回しか確認できず、またデータをExcelなどで分析する際には転記が必要でした。クラウド化によってデータをリアルタイムで確認できるようになりましたし、確認結果は自動で集計されるため、その手間もなくなりました。また、データを二次使用したい場合にはCSV形式や台帳形式でもエクスポートできるため、データの取扱も容易になりました。

実際に運用を始めて約1年が経ちますが、その間に1回だけアルコールチェッカーが反応したことがありました。前日に深酒をして呼気に微量なアルコールが残っていたようです。
目視だけでは分からなかったと思いますが、アルコールチェッカーがしっかりと動作しているのだと分かり、安心にもつながりました。アルコールチェックについては、結果が数値で現れるので、明確なガイドラインができるのも管理上は良いと感じます。

そのほか、運用してみて感じたこととしては、まず「マニュアル作りが重要」であるということですね。社員はITスキルもさまざまですし、高齢の社員にはスマートフォンに忌避感を持つ人もいましたので、操作手順をわかりやすくまとめたマニュアルを作って説明会を開き、スムースな社内展開を図りました。
インフォセンス様には、そのマニュアルの叩き台なども作っていただき、丁寧にご対応いただきました。

Q:点呼やアルコールチェックの重要性についてどう感じられていますか?

「危険な運転をさせない仕組み」が
会社と社員を守ります。

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自動車を運転する以上、誰しも「事故に遭うリスク」があります。仕事で毎日運転しているならなおさらです。しかし、誰もが他人事というか、「自分は大丈夫」と考えがちですよね。ニュースなどで事故の悲惨さは身近に感じられるようになったのに、自分が事故の当事者になるかも、という視点を持っている方は非常に少ないのが現状です。
そしてひとたび事故に遭えば、それがもらい事故であったとしても運転者には大きなダメージが及びます。
また、それが重大な事故であれば、会社のイメージにも影響を及ぼします。もしかしたら、「あの会社は運転が荒いから…」などと囁かれてしまうかもしれません。

弊社では、よく社長が「安全・品質・コンプライアンス(法令遵守)を大切にしなければならない」と社員に話していますが、100年企業を目指す私たちにとって、安全・品質へのこだわりと、それを律するために法令を遵守することは、とても大切なことなのです。車を運行する以上、事故のリスクはゼロにはできませんが、そこに常に危険があることを心に刻みながら、せめて「加害者側にならない」という意識を、ハンドルを握る社員一人ひとりに持ってもらいたいです。
しかし、それを意識づけるのはなかなか難しいものです。毎日運転していれば、だんだんと漫然としてきてしまいます。毎日安全を呼びかけても、それが良くない意味で「習慣化」してしまうかもしれません。

弊社では、ドライバー一人ひとりの意識を高めるために、安全運転講習の実施や運転中の携帯電話使用禁止ルールの制定、日頃から運転の様子を記録するドライブレコーダーの設置を行い、ドライバー自ら安全運転を意識する施策を行っています。今回導入した「デジタル点呼マネージャー・スマート」がそこに加わり、安全運転だけでなく労務管理の面においても活用され、社員が安全に、安心して働ける環境づくりの土台となってくれることを期待しています。