導入事例
総合物流業
Interview #04
デジタル点呼マネージャー・スマート
必要な機能だけを、低コストで。
■70台を超える白ナンバー自動車を運用中。
■巡回用のセダン車や送迎用マイクロバス等。
■直行・直帰が多いため拠点での点呼は困難。
■運用開始は2022年10月。
関東を中心に200台以上のトラックを運行している物流大手・日本ロジテム様。
トラックのほかに、拠点間の連絡用車両として60台以上の白ナンバー車両を使用しており、そのドライバーのアルコールチェック管理のために、「デジタル点呼マネージャー・スマート」をご活用いただいています。
今回は、常務取締役の中西様、安全運行担当の根津様、システム導入の窓口である比志島様にお話を伺いました。
(取材時期 : 2024年1月)
Q:システム導入の対象となった方は、どのような勤務形態でしたか?
直行・直帰が多く、
対面でのアルコールチェックが困難な勤務形態でした。
私たち日本ロジテムは、物流の会社です。関東を中心に29の拠点を構え、約200台のトラックで食品から電子機器まで、さまざまな荷物を運んでいます。各拠点の運営をサポートするために、各拠点を巡回する要員がいるのですが、その移動に使用している白ナンバー車両のドライバー用に、今回「デジタル点呼マネージャー・スマート」を導入しました。
根津様:
該当の車両は、担当者が拠点間の移動に使用するためのものですので、特に何か荷物を運ぶというわけではありません。ですから、車種としてはセダンが多いです。台数としては70~80台ほど。基本的に、車両ごとに使用者がほぼ決まっていて、あまり共用はしません。
私たちの拠点、つまり「トラックの車庫」は、公共交通機関の便が良くないところに立地しているケースが多いので、そこを巡回するとなると自社の車両を運転して移動するのが便利なんです。自宅から直接拠点を回って、自宅に帰るという社員も多いので、トラックのように「出庫前・帰庫後に拠点で点呼する」ということが難しい運用形態でした。
事業用のトラック、いわゆる「緑ナンバー車両」を運転するドライバーについては、もちろん以前から運行管理者による点呼とアルコールチェックを行っています。しかし、拠点間の連絡用に使う白ナンバー車両については、これまでアルコールチェックの義務化がされていなかったので、ドライバーがアルコールチェッカー(携帯用)で計測を行い、その結果と走行距離、給油に関する記録を、車両ごとに用意した記録シートに手書きで記録していました。記録シートは1ヶ月に1度回収し、ファイリングして保存していました。
中西 伸次郎 常務取締役CSR本部長
Q:導入した経緯について教えてください。
Webサイトを見て、
必要な機能だけシンプルに使えるのが良いと感じました。
導入を考えたのは「白ナンバー車両でもアルコールチェックが義務づけられる」ことになったためです。ずいぶん前から対応策を考えなければと思ってはいたのですが、コロナウイルスの流行などに伴う混乱もあり、なかなか手が回らない状態が続いていました。本格的に導入検討が始まったのは2022年に入ってからでしたが、途中、半導体不足によるアルコールチェッカーの納品待ちの期間があり、稼働開始は2022年10月になりました。諸般の事情を考慮すると、全体としてはかなりスピーディな導入だったと思います。
中西様:
いよいよ白ナンバー車の対策を強化・効率化しなければならないと思い、私がネットでどんなシステムがあるか検索をかけたところ、最初に目にとまったのがインフォセンスさんの「デジタル点呼マネージャー・スマート」でした。
スマートフォンを使うことで直行直帰の処理にも対応していましたし、私たちが必要としている「アルコールチェック」の機能に絞れば、コストを抑えて導入できそうだったことが、私たちのニーズに合っていると感じました。それまでインフォセンスさんとはお付き合いはありませんでしたが、あの物流大手「山九」のグループ企業であることは存じ上げていましたので、これなら信頼できると思いました。それで、当時調達担当だった比志島さんの上司に相談して、まずはインフォセンスさんからお話を聞いてみよう、という運びになりました。
比志島様:
私たちは今回の導入に際し「不正ができないこと」「直行直帰に対応していること」「導入が容易であること」「アルコールチェック以外の機能は一旦不要」という4つの条件を重視していたのですが、その面でもインフォセンスさんからのご提案はぴったりでした。ちゃんとした機器で計測し、顔写真とともにクラウドにアップされることで「なりすまし」などの不正を防ぐことができましたし、スマートフォンを使用していることから導入も容易で、どこでも計測・記録ができる。そしてアルコールチェックだけに機能を絞ったシンプルな運用ができ、結果コストも抑えられました。
お打ち合わせは、コロナウイルスが流行していた時期でもありリモートで行いましたが、受け答えも信頼のおけるものでしたので、そのままインフォセンスさんにお願いすることになりました。結局、他社に相談することはありませんでしたね。
導入に際しても、非常にスムーズに運びました。つまずいた部分を強いて挙げるなら、社員の私用スマートフォンを使用するため機種やOSが統一されておらず、初期設定などの際に少々戸惑いがあったこと。あと、世界的な半導体不足の影響で、アルコールチェッカーの納品を少し待たなければいけなかったことくらいでしょうか。
比志島 久樹 システム部副部長
Q:現在の運用について教えてください。
確実に「本人が計測している」記録が残るのはいいですね。
現在は、運転前と業務終了時の2回アルコールチェックを行っています。運用開始から1年半ほど経ちましたが、1度だけアルコールチェッカーが異常値を検知したことがありました。確認したところ、測定の直前にマウスウォッシュを使用したことが原因のようでした。アルコールを検知すると私のスマートフォンに通知が届く設定にしていたので、急に通知が届いて驚きましたが、正常に動作しているのが分かったのは良かったです。
あと、クラウドで情報が記録されるのも良いですね。実は、今回のシステム導入をきっかけに車両管理のあり方自体も再検討して、その結果これまで使っていた「記録シート」を廃止しました。システムを導入することでアルコールチェックの記録はクラウドに自動で蓄積されますし、給油情報は法人カードの履歴から追えるためです。ですから、白ナンバー車両に乗る社員からすると、記録の手間が一切なくなったので楽になったのではと思います。紙のシートを回収・保管する必要もなくなったので、そういった意味でも業務負荷の軽減に繋がったと思います。
比志島様:
私の方も特に問題は聞いていません。また、顔写真を撮影することで、確実に本人が計測しているという「正確性」が担保されるのは良かったと思います。ただ、スマートフォンで写真を撮ることになかなか慣れない人はいますね。いつも写真がブレてる人などもいて(笑)、少し慣れが必要かもしれません。
導入を担当した立場としては、導入に際して大きな問題もなく、求めている機能だけをリーズナブルに得ることができたので満足しています。
根津 茂 品質管理部長
Q:企業にとって、「安全に車両を運行すること」についてどう考えていますか?
良いサービスは、従業員がいきいきと
働ける環境から生まれるのだと思います。
中西様:
企業にとって、社会やステークホルダーと良好な関係を構築することはとても重要です。特に私たちのような運輸業では、ちょっとした不注意であっても大きな事故につながる可能性がありますし、その結果、社会やステークホルダーからの信頼を毀損したり、経営リスクにも繋がりかねません。私たちの事業は「公共の道路をお借りして」行っているものですから、「安全」は何よりも優先されなければならないと考えています。そのような考えから、当社では独自の「安全方針」を定め、社員一人ひとりの中に安全への意識浸透を図っています。
根津様:
その「安全方針」の中でも宣言されていますが、安全運転を支援するさまざまな技術の導入は、積極的に行っています。当社の輸送の主力である緑ナンバー車両においては、AIドラレコやバックソナー、デジタコ、GPSなどの最新装備を導入していますし、業界の展示会や各種ニュースを通じて新技術にもアンテナを張っています。
また、教育面においては、24時間365日体制で稼働する現場が多かったり、コロナウイルス対策で大勢が集まりにくかったりという事情もあり、タブレットPCやスマートフォンを使ったEラーニングを導入しています。
会社としても、荷主様と交渉し、ドライバーがより無理なく働けるよう、労働環境改善を進めています。
中西様:
これからの物流業界を考えた時に、今まではスピードやコストなどが最も重要な要素でした。しかしこれからは、「どう運ぶか」という新しい価値観が重要になってくると感じています。「働く人の健康」も、その価値観の一つです。当社の掲げる目標である「日本一信頼される企業グループ」を目指すうえでも、一人ひとりの従業員が健やかに、いきいきと働ける環境を作ることは重要です。会社としても、さまざまな形で安全や労働環境の整備に力を入れていきたいですし、その中で今回の「デジタル点呼マネージャー・スマート」を活用していきたいと考えています。