導入事例
青果卸売業
Interview #06
デジタル点呼マネージャー
元トラ協監査員が選ぶ点呼システム
■輸配送リスク回避のため自社配送トラックを運行。
■ペーパーレス化を推進・実現。
■システム化により物流拠点の監査を本社で実施可能。
■運用開始は2022年10月。
我々がスーパーマーケットの店頭で手にする様々な青果物。店頭には国産品から輸入品まで、四季により様々な品種が取り揃えられています。
食べやすいようにカットされたフルーツや、調理しやすいように少量でパックされた野菜など、あらゆる加工も施されています。
このように私たちの豊かな食生活を支えるのが、青果卸売業大手である株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス(以下KIFA)様。
埼玉川越サービスセンターで「デジタル点呼マネージャー」をご活用いただいています。
今回は輸送部長兼輸送部管理課長の久保田様、輸送部輸送課長の海後様にお話を伺いました。
(取材時期 : 2024年9月)
Q:KIFA様ではなぜ自社で配送トラックを運行されることになったのですか?
お客さまへご迷惑をお掛けしないよう、あらゆるリスク回避を目指しています。
私共の埼玉川越サービスセンターは複数の量販店お客様に向けた青果商品を取り扱う汎用型基幹センターです。いわゆるセンター前センター機能として、KIFAで仕入れた青果商品を当センターで量販店様向けにパッキング流通加工し、量販店様の配送センターに納入しています。
配送業務は他社へ委託していましたが、2年ほど前より自社トラックによる配送も行っています。
自社で配送トラックを持った理由は、この配送業務を100%外部委託してしまうと、運賃交渉や契約面で不調があった際のリスクを回避できないからです。また配送業務委託先の事情で突然トラックが手配できない場合も考えられます。そのような事情により商品を配送できず、お客様に対し大変なご迷惑をお掛けすることを避けるため、緊急時に自社配送でフォローする体制づくりをしています。
現在は2台の自社配送トラックを持っていますが、年末には更に3台の増車を予定しています。ドライバーも来年度は7名体制を検討しています。配送業務委託先のお力をお借りしながら、全体の20%くらいを自社配送でカバーできる体制を目指しています。
株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス
輸送部長 兼 輸送部管理課長
久保田 剛様
Q:なぜデジタル点呼マネージャーを選定したのですか?
点呼システムによりペーパーレス化が実現できることです。
初めて自社配送トラックを準備するタイミングに合わせて、デジタル点呼マネージャーを採用しました。
当初は白ナンバートラックですので法令上点呼は必要ではなく、アルコールチェック管理だけでも良かったのですが、将来的に緑ナンバー事業を始める予定であったため、それを想定して準備を進めました。
私と海後は前職の輸配送会社で運行管理者を経験していますが、当社において自社配送トラックの運行管理をするにあたり、まずは「紙」ベースの運用は止めようという意見で一致しており、そこで点呼のシステム化検討を始めました。
ちょうどその時期にインフォセンスさんのセミナーに参加し「デジタル点呼マネージャー」を知りました。他社の点呼システムも比較検討していたのですが「デジタル点呼マネージャー」では点呼に関連する記録書類のペーパーレス化が実現できること、またアルコールチェックを実施した際の記録画像がシステムに残ることも採用したポイントです。
またシステムの管理画面は比較対象の中で最もシンプルで見やすく、保存された点呼記録へもアクセスしやすい点を評価しました。
現在のトラック所有台数と今後の増車計画を前提にすると、「デジタル点呼マネージャー」は私共の規模感に合致しており、また価格も非常にリーズナブルであったので、採用を決定しました。
私は前職で、トラック協会の嘱託を受けて他の輸配送会社を監査する立場を経験しています。監査員として輸配送会社を訪問し、膨大な記録書類をチェックするのは非常に労力の掛かる作業です。今は紙に印刷して保管する、そんな時代ではないと思います。
当社では、自社配送のスタート時からシステム化を前提として、書類保管業務の軽減を目指していました。現在では全ての記録書類をデジタル保管に切り替えています。
点呼システムの導入を検討した当時、KIFAでは輸送事業への取り組みが初めてでしたので、経営層へは効率化のためにシステム化が必要であることを説明しました。
海後様:
今後の拡張を踏まえて、点呼システムとバイタル系の機器が連携できることも選定ポイントのひとつと考えていました。
現在は「デジタル点呼マネージャー」へドライバーの体温測定結果を記録保存しています。この先、ドライバーも高齢化していくと思うので、ゆくゆくは血圧測定機器との連携なども検討していきたいと思っています。
株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス
輸送部 輸送課長
海後 進之介様
Q:導入後2年が経過しました。デジタル点呼マネージャーを使ってみていかがですか?
期待していた通りの良いシステムです。
システム導入から立ち上げまで、特にトラブルや苦労することもなく導入を進めることができました。システムの導入以来、ドライバーから不具合なども聞かないので、問題なく点呼の実施と記録管理ができています。
システム導入を機に、ドライバーがアルコールチェックを行うタイミングを、乗務開始前から出社直後へ変更しました。この物流センターは駐車場が少し離れており、点呼実施前にトラックを移動する場合もあるための改善です。
また、監査の際には紙の点呼記録簿を探す必要がなくなりました。記録簿は記載項目が充実していますし、記録データをExcelやCSVファイル等として一括出力できるので非常に助かっていますね。
久保田様:
「デジタル点呼マネージャー」を導入し、最大のメリットはペーパーレス化・システム化を実現できたことです。
運行管理業務の煩雑さが無く、点呼の記録を確実に残す事ができますし、社内監査時も現地に点呼状況を確認に行かなくても本社で登録されているデータを見ることができるので非常に便利ですね。また外部監査の際も、確認したい点呼情報の日付を画面上に指定すれば対象データが全て出てきます。期待していた通りの良いシステムだと思いますよ。
海後様:
特にシステムに対する改善要望はないですね。欲を言えば、点呼とは少し違いますが、今後はスマホを活用し、点呼システムに車両点検内容の登録・承認をもらう機能が盛り込まれていると非常に嬉しいと思っています。
毎日、業務の最初に車両日常点検を行いますが、現在は車両に問題が無いことを整備管理者へ報告し、承認を得てから運行開始ができるよう運用ルールを定めていますので、このような機能があれば効率化に繋がります。
Q:トラックドライバーへの安全運転教育で工夫されていることはありますか?
社外専門講師を招いた講習と、直接のコミュニケーションを重視しています。
久保田様:
経営層からは「とにかく安全を最優先に」ということを求められています。
これを守るため、毎月一回、座学でのドライバー安全教育講習を実施しています。この講習は専門の講師に委託し、管理者もドライバーと共に参加しています。もし社員同士で実施すると、どうしても緩くなってしまうと思いますので。毎回、講師が予め定めた講習内容に対して、我々として要望する独自項目をプラスしたカリキュラムにて実施し、効果を上げています。
海後様:
特に気を付けていることは、ドライバーとの直接のコミュニケーションを重視していますね。安全教育講習等を実施する際には、埼玉川越サービスセンターにドライバーに集めるなど、対面で交流する機会を持つことを意識しています。ドライバーとの接点が、流れ作業としての点呼だけにならないよう、センター事務所で様々な業務上の情報交換や意見交換などを行う時間を大切にしています。